建設業未経験ですが訓練に参加できますか?
大丈夫です。訓練の参加者は建設業未経験者がほとんどです。訓練では、建設業で実際に働いているベテランの職人さんたちが親身になって指導します。未経験だからこそ仕事に真っ直ぐに向き合い成長
伊藤千尋さんは、令和5年度「建設ものづくりコース(解体・重機等オペレーター)in 柏」を受講後、向井建設株式会社に入社し、現在はオペレーターとして活躍しています。一児の母でもある伊藤さんが就職先として建設企業を選んだきっかけのひとつは、子どものおもちゃだったとか。受講の経緯やオペレーターの魅力、また建設業の印象など、詳しく伺いました。
PROFILE
修了コース : 「第3回建設ものづくりコース(解体・重機等オペレーター)in 柏」
訓練期間 : 令和5年11月13日~12月7日
取得資格 : 車両系建設機械運転技能講習
(整地・運搬・積込・掘削)
車両系建設機械運転技能講習(解体)
小型移動式クレーン運転技能講習
玉掛け技能講習
ガス溶接技能講習
伐木等の業務(チェーンソー)特別教育
石綿等使用の建築物等の解体作業特別教育
足場の組立て等特別教育
── 訓練を受講したきっかけはなんですか?
偶然、ウェルカムを手に取り、募集を見つけたのがきっかけです。私は高校を卒業後、「本当にやりたいこと」を見つけたいという思いがあって、飲食店や物販など、さまざまなアルバイトをしてきました。そんななかで、倉庫に勤めた期間があり、フォークリフトの資格を取ってみようとハローワークへ行った時に、ウェルカムで募集を見つけたというわけです。
── 女性として建設業で働くことへの不安はなかったですか?
おそらくひと昔前だったら女性が働きにくいイメージがあったのかもしれませんが、今は女性が活躍しているという話を知っていたので、特に不安はありませんでした。訓練コースへの参加者のなかには私以外にも女性がいて、良き相談相手になってくれました。それに、実際に向井建設に入社してみると、現場のトイレは男女別ですし、女性専用の更衣室や休憩所もあるので、とても働きやすさを感じています。
── オペレーターをしてみたいと思った理由は?
今、4歳の息子がいて、重機のおもちゃが大好きで集めていました。その影響もあってか、私も重機に興味が湧いてきて「乗ってみたら楽しいだろうな」と思うようになって。私はアウトドア派なので、休みの日は子どもとお出かけすることが多いのですが、車に乗っていて重機を見かけると「ママ、あれに乗っているんだよ」と、いつも息子に自慢しています。
── 伊藤さんを採用した理由を教えてください。
「建設ものづくりコース(解体・重機等オペレーター)in柏」の企業説明会に参加させていただいた際に、伊藤さんは訓練生のなかでも特に周りとコミュニケーションを取りながら受講している印象を受けました。そんな彼女が当社への入社を希望してくれているということで担当者が面接を行ったところ、まったくの未経験から建設業で働こうとするチャレンジ精神や、オペレーターとして技術や技能を高めていきたいという前向きな気持ちがすばらしいと感じ、ぜひ働いてもらいたいと採用しました。
── これまで女性を採用したことはありますか?
当社では現場施工管理、とび工、ダンプ運転手、オペレーターとして女性が活躍しています。これからの時代は建設業も女性がもっと活躍できる業界になっていってほしいという思いもあり、積極的に採用していく方針です。仕事のなかで技術を磨いていくことに性別は関係ありません。ただし、現在は比率として男性が多く働く職場なので、女性が入ることでまた新しい視点が加わり、安全面やチーム内コミュニケーションがアップすることを期待しています。
── 訓練修了生を採用することのメリットはなんですか?
基本的な知識を身につけていることや、必要な資格を取得してくれていることです。本来であれば一から教えなければならないのですが、その時間をカットできるのは大きなメリットです。特に安全面に関する講習を受けていることは重要で、私たちの仕事は危険と隣り合わせでもあるので、正しい知識を学んできてくれることはとてもありがたいです。
── 伊藤さんのお仕事ぶりはいかがですか?
職長から話を聞くと、コミュニケーション能力がとにかく高いので、もうすでに現場では他の社員ともなじんでいるようです。まだ入社して2カ月ですから、もちろん技術的に未熟でオペレーターとしては見習い段階なのですが、何事にも自ら進んで先輩たちを手伝おうとする姿勢が見られてすばらしいと思っています。
── 今後も訓練生を採用していく予定はありますか?
これからどんどんと高齢化が進み、当社でもこれまで大いに活躍してくれていた熟練オペレーターが次々と退職していくことがわかっています。つまり、次世代を担うオペレーターが必要だということです。当社でもまだまだ人材が足りない状態。女性、男性にかかわらず、未経験でも訓練コースを受けて、ぜひ建設業に飛び込んできてほしいですね。