HOME特集を見る > VOICE|建設業で新たな道へ 訓練生の声 建設土木多目的コース

第1回 建設土木多目的コース

 新潟県新発田市を拠点に、土木工事を主体として全国のゼネコン企業から工事現場の管理、施工を請け負う株式会社新和組。この度、同社に入社したのが、2021年6月~7月に建設土木多目的コースを受講した東 真也さんです。

新和組では、建設業未経験者の東さんを受入れることをチャレンジと捉え、さまざまな取組みを行ったとか。今回は、東さんと採用担当者、また現場での教育担当の3名にそれぞれの思いを伺いました。



PROFILE
株式会社新和組 東 真也さん
修了コース : 令和3年度「第1回 建設土木多目的コース」
訓練期間  : 令和3年6月28日~7月30日
取得資格  : 玉掛け技能講習
        小型移動式クレーン運転技能講習
        車両系建設機械運転技能講習
         (整地・運搬・積込・掘削)
        車両系建設機械運転技能講習(解体)
        足場の組立て等特別教育
        ローラーの運転業務に係る特別教育
        フルハーネス型墜落制止用器具特別教育
        刈払機取扱作業者安全衛生教育



実家が営む農業からまったくの異業種へ転職を決意

── 訓練を受講する以前の経歴を教えてください。
[東] 和歌山県にある実家が農家で、高校を卒業してからはずっと家業である農業に携わってきました。主にみかんと梅を栽培していて、いずれは家を継ぐ予定でした。

── なぜまったくの異業種である建設業へと転職したのですか?
[東] 実は、仕事を続けている中で体調を崩したり、人間関係に悩んだりと、前職でいろいろことがあって、それがきっかけで他の職種の仕事をしてみたいという気持ちが高まっていきました。また、地元以外の地域へほとんど出たことがなかったので、この機会に他県へ移住してみたいという思いが強まってもいました。そんな時、建設業関係で働いている地元の先輩から見せてもらった建設業ウェルカムの冊子を思い出し、掲載されていた訓練にチャレンジしてみようと思ったのがきっかけです。

── 実際に訓練を受けてみた感想は?
[東] 最初に取得する資格が玉掛け技能講習だったのですが、建設業に関する知識が一切なく、「玉掛け」という言葉すらわからない状況でした。なので、受講中は焦りながらも必死でついていくことだけを考えていました。ただ、周りの訓練生も未経験から建設業界に飛び込んできた方が多く、同じような状況の中、休憩時間などにお互いに教え合っていたので、そこは救いでした。

── 現在の職場ではどんな作業を担当していますか?
[東] 令和3年12月に入社したばかりなので、道具の受け渡しなどをしている段階です。ただ、現場としてはコンクリートの締固めや、鳶(とび)工の仕事など、さまざまな経験をさせていただいています。

── 受講が業務に活かされていることは?
[東] 一番は安全意識です。訓練を受講する前から、気を抜くと事故につながる作業も少なくない仕事なので、建設業は安全への意識が高い仕事だということは聞いてはいました。ですが、訓練に入ると僕が認識していた以上に細かく安全をチェックすることには驚きました。そして実際に新和組に入社して働き始めると、訓練時よりもさらに安全意識が高く、事故を起こさないことが何よりも最優先される仕事だとあらためて教わっています。

40代後半の未経験者を育てることそれが会社全体の成長につながる

── 東さんの入社当時の印象を教えてください。
[太田] 初めて東さんの顔を見たのは、リモートでの面接でした。その時の彼の目には覇気がなかったのを覚えています。どこか不安げで表情に輝きがない。ただ、面接での態度は真面目でとても好印象でした。なので、正直なところ、採用するかどうか迷いました。農業しか経験したことのない40代後半の彼が建設業でどこまで活躍できるか、社内でも疑問の声が上がっていましたから。

── それでも東さんを採用した理由はなんだったのでしょうか?
[太田] 私がそこで思ったのは、彼を職人として一人前に育てることができれば、その経験は私たちにとってもプラスになるのではないか、ということです。どこか元気がないとはいえ、面接に来ている時点でやる気はあるわけです。それなら、私も彼に賭けてみようと考えました。そこで、東 真也が辞めることなく仕事を継続してがんばれる環境を作ってみようと、大滝とともにチャレンジすることに決めたのです。

── 教育担当としてはどのような思いでしたか?
[大滝] まず、未経験で建設業に飛び込んできた彼の度胸はすごいと思いました。だからこそ、東さんにはとにかく仕事を楽しんでもらいたい。また、そう思ってもらうために建設業の魅力を伝えることが私の仕事だと思っています。

── 入社後、どのようなサポートをしたのですか?
[太田] 社会人としての心構えやマナー、努力することや挑戦することの大切さといった基礎的な考えを伝える教育からスタートしました。なぜなら、それがあれば自ら考え、間違いを修正し、成長していく力が身につくからです。技術はその後の話であり、まずは人間性を磨いていってほしいという考えでした。

[大滝] 実は、私は東さんに対してはとても感謝しているんです。それなりに年齢を重ねた東さんに仕事を一から教えることは、私や太田、また現場の職人たち、そして東さん自身も、みんなが根気強く努力する必要があります。でも、それが結果的に、私たちにとっても人の内面の大事さや、教育することの難しさをあらためて振り返ることにつながり、新和組全体の成長につながっています。そしてこの経験は、これから入社してくる人材にも引き継がれていく。新和組にとってメリットしかないと思っています。

── 皆さんからの期待に対して、今の心境を教えてください。
[東] 面接時は前職での人間関係や転職活動への不安など、精神的に不安定な時期でもありました。でも、そんな僕を受け入れてくれただけでなく、人として成長できる環境まで作っていただけたことに対しては、本当に感謝しかありません。この恩は仕事でしっかりと返していきたいです。



現場はチームで作業するものまずは自分の役割に集中して

── 訓練修了生を採用するメリットはどんなことでしょうか?
[太田] 資格を取得してきてくれるのはありがたいですね。これから建設業で活躍していくための土台になります。資格があるとスムーズに作業に入れるだけでなく、会社としては資格を取得させる時間やコストの削減にもなる。これは会社からしてみると大きなメリットです。

── 今後、東さんに期待することは
[太田] 職人としての最終的な目標といえば、現場代理人です。ですが、私は東さんがそこを目指す必要はまったくないと思っています。なぜなら、現場はチームで作業にあたります。現場代理人がチームのトップなら、実際に手を動かす2番手、3番手、4番手がいるわけです。それぞれがいないと現場は機能しない。だから、東さんにはまず今いる自分のポジションでがんばってほしいと常に伝えています。

[大滝] 東さんとは入社後から毎日のようにコミュニケーションを取っていて、「今日はどうだった?」なんて、たわいもない会話をしているうちに、どんどん表情に輝きを取り戻していく様子を目の当たりにしてきました。職場環境にも慣れて、心に余裕が出てきたのかもしれません。そうして決して焦らずに、一歩ずつ成長していってもらえたら、それだけでうれしいです。

── 最後に、受講を検討している方にメッセージをお願いします。
[東]一緒に訓練していた仲間とは助け合ったり、仲良くさせてもらいました。これから目指していることを語り合うこともあり、そうした時間の中で気持ち的にも前向きになることができ、新和組という私にとって最高の居場所に巡り合うことができました。建設業ウェルカムの読者の中には、私のように再チャレンジを目指す方が大勢いると思います。就職に悩んでいるようなら、ぜひ訓練をきっかけに次のステージへと進んでいってほしいですね。





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