HOME特集を見る > 職人PRIDE|型枠大工編

 牧野徹也さんが父と同じ型枠職人の世界に飛び込んだのは20歳の時。以来二十数年にわたり、数々の現場で自らの技に磨きをかけてきた高い技能と指導力で現在は若手の育成にも力を入れている。彼のこだわりは、施工における品質確保。また、次の工程を手掛ける人たちに気持ちよく仕事をしてもらいたいという熱い想いがある。


作業の流れをイメージしながら若手を指導

 今、従事しているのは千葉県内で行われている大規模な土木工事の現場です。会社に所属する19歳から24歳までの若手を預かって仕事をしているのですが、けがすることなく、安全に作業を進めることに一番気をつけています。その日の仕事を始める前に注意事項を伝えます。ある程度経験を積んだ職人であれば理解できますが、若手はそうはいきません。経験がないですから、一から十までちゃんと教えなければなりません。

 自分の頭の中では、1週間の現場での作業の流れがだいだいイメージできています。思い描いていた工程に遅れが生じそうなときには、「そんなことじゃ、間に合わないぞ」と厳しく指導することもあります。


つくることに、妥協はしない

型枠を外して、出来上がった鉄筋コンクリートのトンネル

 型枠職人としてこれまで、多くの現場を経験してきました。大型テーマパークや下水処理場など、ジャンルもさまざまです。どんな現場でも、楽してできるような仕事よりも、難しかったり、忙しかったりする方が自分としてはやりがいがありますね。その方が達成感も得られるからです。

 現場で最もこだわるのは、施工の品質確保です。型枠大工の仕事は、建物が出来上がると内装に覆われ隠れてしまい成果を見ることはできません。しかし、建物の基礎となる大事な仕事ですから、妥協せず、作り上げたいです。次の工程の仕事をする人たちのためにも、しっかりとした仕事をする方がいいですし、それが建物全体の品質向上にもつながると考えています。


父に憧れて、型枠職人の道へ

 父が型枠職人で、それに憧れて20歳の時にこの世界に飛び込みました。2回ほど会社を移り、直前は大州建設工業の下請の会社に所属していました。
 妻とは共通の趣味であるスノーボードを通じて知り合い、26歳で結婚しました。子どもは3人います。高校2年生、小学6年生の男の子2人は、子供の頃の私と同様サッカーをやっています。その関係で、週末は地元チームのコーチをしています。
 一番下は2歳になる女の子です。仕事を終えて帰宅するのは、普段夜の7時くらいで、その子と一緒にお風呂に入ります。風呂上がりに晩酌をしながら、家族と一緒に夕飯を食べるのが毎日の楽しみです。


息子も型枠の仕事に興味を持ってくれた

 家でも仕事の話をよくします。そんなこともあってか、工作も好きな下の男の子は最近、「お父さんの仕事をやってみたい」と言ってくれるようになりました。やっぱりうれしいですよね。
 週末は会社の同僚や若手と飲みに行くこともありますが、だいたい仕事の話になります。社長も一緒になると、情熱的な性格の人ですから仕事を良くしようと考えるとどうしても熱くなってしまいます。


この仕事を目指す方にメッセージ

現場環境は改善しています

 昔の建設現場の仕事は、3K(きつい、汚い、危険)と言われていました。現在は大分改善され仕事もしやすく、安全な環境になっています。たとえ建設の仕事に興味があっても、危ないということから敬遠する人が多いのは事実です。それでも二十数年現場で仕事をしてきて、安全性も相当向上してきたことを実感しています。例えば、現場の整理整頓が徹底されており事故を防止したり、夏季には熱中症対策室が設けられ、スポーツ飲料が常備されたりなど、働く環境にも改善がみられるようになってきました。




これまでに取得した資格者証

 今でも負のイメージがつきまとい良いイメージを持たれていないようですが、入ってきてもらえれば、決してそうではないことを分かっていただけると思います。


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