HOME特集を見る > 職人PRIDE|鳶(とび)工編

 鳶(とび)職人になったのは父の働く姿を見ていた幼い頃からの憧れ。がむしゃらな努力が実り職長になった。仕事は国内だけではなく海外へも。UAEドバイで地下鉄駅舎の工事に携わった。

 自分の力がどこまで通じるのか、飽くなき挑戦は職人PRIDEをかき立てる。


海外でも自分の力がどれだけ発揮できるのか

 当時、東京スカイツリーの大型工事とドバイの地下鉄駅舎の工事の話をいただきました。ドバイの工事は工程が大きく遅れており、後れを取り戻すために派遣されるといった内容でした。

 海外で仕事をするなんて考えたこともなかったですが、普段からもっともっと上を目指したいと思っていたので、過酷な海外の現場で、自分の技術や経験が海外でどれだけ通用し、発揮できるかを試せる良いチャンスだと感じ挑戦しました。


UAEドバイでの仕事

 地下鉄駅舎を作る現場は、有名な観光地と聞いていましたが、まるで砂漠の中で作業をしているようでした。日本からはスーパーアドバイザーとして5人派遣され、自分はその中でもリーダーのポジションを任されました。

 ドバイでは鉄骨工事ができる職人が少なく経験も浅いため、技能はもちろんのこと安全面にも気を配りながら、一緒に作業をしました。遅れている工程を取り戻すべく、指示を出し、自らも体を動かし仕事に没頭した結果、ドバイの職人だけで作業をするよりも我々が来たことで、5倍程のスピードで工事が進み、ドバイの職人さん達はとても驚いていました。滞在期間は3ヶ月ほどでしたが、複数の様々な現場を渡り歩いたことで、自分の力を試し、成果を上げることができました。

 ドバイで感じたことは、言葉が通じなくても「仕事でわかり合える」というか、熱意と技術があれば意思疎通ができるということです。日本に帰ってきてからも、人にものを教えるときの幅が広がりました。


建設業界に入ったキッカケは?

 父親が同じ「鳶(とび)」の仕事をしていました。幼い頃から父の働く姿を見ていて、カッコイイなぁと思いこの仕事に携わりました。


鳶(とび)の仕事はどんな仕事?

 建設現場が始まるときの、何もない更地の現場を囲う仮囲い(かりがこい)を設置するところから、工事が竣工して仮囲いを解体するまでが鳶(とび)の仕事です。その中で、工事が進むにつれて、工事現場で作業をする人たちが使う足場を組んだり、建物の骨組みとなる鉄骨を組んだり、クレーンを組立てたり解体したりすることも仕事の一つです。

 その他にも、現場での作業を安全にするための手すりやネット、通路などの仮設設備を組んだりして、現場の安全を守ることもします。


現在はどのようなポジションですか?

 現場では、鳶(とび)の会社の職長として、作業者に指示を出す業務をしています。大きな現場では、作業者に指示を出すだけではなく、他の作業を担当する会社の方とも連絡調整をして、現場を円滑に安全にまわすことも、職長の役割です。


この仕事を目指す方にメッセージ

明るく、前向きに、誠実に

 スーパーマーケットなどの工事が竣工した後には、子供を現場に連れて行って自分が携わった仕事の話ができ、やりがいにつながります。

 仕事を覚えるまでは、大変なこと、苦労をすることもいっぱいあると思います。でも、諦めないで、目標に向かって頑張ってほしいです。目標を達成するために、私がよりどころにしていた言葉を紹介します。「明るく、前向きに、誠実に」。これから建設業を目指す皆さんも、この言葉を心の片隅に置いて頑張っていただきたいです。

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