HOME特集を見る > 職人LIFE | 型枠大工20年目(インタビュー)

武道やスポーツにひたすら熱中!

 幼稚園では剣道、小中学校では野球を習っていました。でも、「将来は野球選手になりたい!」といった夢もなく、ただ目の前のことに熱中するタイプ。今思えば、父が型枠大工で工務店を経営していたので、家業を継ぐことが頭の片隅にあったのかもしれません。


お父さんとの写真

無口な父の働く姿に思わず「すごい…!」

 父は無口で、具体的にどんな仕事をしているのかは知りませんでした。初めて父の働いている姿を見たのは、現場を手伝った高校1年生の夏。家ではゴロゴロしている父が、歩くスピードから違って、「こんなにすごい仕事をしていたんだ…」と驚かされました。

新入社員

先輩たちが教えてくれた仕事の本質

 高校3年のときに実家の工務店で働くことを決めました。最初の現場は小学校の建設で、何をすればよいかわからず、先輩たちに質問しても、返ってくる言葉は「仕事は見て盗め」ばかり(笑)。今になって思えば、ただ指示を待つのではなく、自分で考えて動くことが大切だと教えてくれていたのだと思います。そこで、材料運びや掃除をしながら先輩が釘を打っているところをのぞき見ては、自宅で打ち方などを練習していました。

「できる人」をお手本にして努力した日々

 2年目になると、現場の流れをつかめるようになり、仕事への意欲がさらに高まっていきました。また、同じ型枠大工でも作業の取組み方が人によって違うことに気づいたのもこの頃です。
 仕事の評価が高い人ほど動きに無駄がなく、一手先を読んで作業を進めています。持っている道具もシンプル。材料の持ち方やパネルの立て方などにもちょっとした工夫を取り入れているのがわかり、細かな部分も参考にしながら日々の作業に取組んでいました。

「職長」を目標にチームをレベルアップ!

 職長になったのは入社7年目、25歳の頃です。それまでとは仕事への意識もガラッと変わり、仲間や後輩などへも目を配れるようになりました。チームとしてレベルアップするためには、普段から気兼ねなく何でも話せる関係性を築いておくことも重要です。意見の食い違いで衝突したときでも、周りのサポートがあれば丸く収まります。そうしたチームづくりの大切さを、いろんな現場を経験することで学ぶことができました。

 職長になり家族を養っていける自信がもてた25歳のときに結婚を決意し、今では4児の父。
 末っ子の長女はわが家のアイドルです!

TURNING POINT!

父の代役を務め広がった“現場での視野”

 実家の工務店の親会社である翁有建設に転籍して2年目に、ホテルの建設に携わることになりました。ところが現場の段取りを決めていた父が病気で入院してしまったんです。
 私が代役を務めることになり、そのときにふと思い出したのが、入社当時に父から言われた「仕事は上から順番に考える」という言葉でした。完成をイメージしてから逆算し、工程を組んでいくことの重要性を教えてくれていたのです。
 例えば、高所の作業を行うには、高所作業車を用意するのか、足場を組むのか、安全面を考えながら準備しなければなりません。それは職長や親方だからこそ持たなければいけない視点です。父が見ていたもの、考えていたことがようやく理解できた現場でした。

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心掛けているのは“余裕のある”現場づくり

 この数年で職長としての役割について深く考えるようになりました。職長が声を荒らげてあわただしく指示を出すようだと、それが職人にも伝わります。あわてることが一番事故につながるので、余裕のある現場にできるように、雰囲気づくりにも気を配るように心掛けています。

今後の目標

 私はチーム全員が仲良く、気持ちよく仕事ができることを何より大事にしています。そのなかで、すべての作業の精度を高めていくことが今の目標です。少人数でいかにシンプルに、素早く、きれいに仕上げられるか。それを日々追求しています。

保有資格
●丸のこ等取扱作業従事者安全衛生教育
●高所作業車運転特別教育(10m 未満)
登録型枠基幹技能者講習
職長・安全衛生責任者教育
型枠支保工の組立て等作業主任者技能講習

この仕事を目指す方へメッセージ

 本当に人柄のよい職人が多いし、安全面もしっかりしていて、世間の人が思うほど過酷な仕事ではないと思います。何より仲間と一緒に手掛けた建物が完成したときの達成感は想像以上ですよ。

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武道やスポーツにひたすら熱中!

 幼稚園では剣道、小中学校では野球を習っていました。でも、「将来は野球選手になりたい!」といった夢もなく、ただ目の前のことに熱中するタイプ。今思えば、父が型枠大工で工務店を経営していたので、家業を継ぐことが頭の片隅にあったのかもしれません。

無口な父の働く姿に思わず「すごい…!」

 父は無口で、具体的にどんな仕事をしているのかは知りませんでした。初めて父の働いている姿を見たのは、現場を手伝った高校1年生の夏。家ではゴロゴロしている父が、歩くスピードから違って、「こんなにすごい仕事をしていたんだ…」と驚かされました。

新入社員

先輩たちが教えてくれた仕事の本質

 高校3年のときに実家の工務店で働くことを決めました。最初の現場は小学校の建設で、何をすればよいかわからず、先輩たちに質問しても、返ってくる言葉は「仕事は見て盗め」ばかり(笑)。今になって思えば、ただ指示を待つのではなく、自分で考えて動くことが大切だと教えてくれていたのだと思います。そこで、材料運びや掃除をしながら先輩が釘を打っているところをのぞき見ては、自宅で打ち方などを練習していました。

「できる人」をお手本にして努力した日々

 2年目になると、現場の流れをつかめるようになり、仕事への意欲がさらに高まっていきました。また、同じ型枠大工でも作業の取組み方が人によって違うことに気づいたのもこの頃です。
仕事の評価が高い人ほど動きに無駄がなく、一手先を読んで作業を進めています。持っている道具もシンプル。材料の持ち方やパネルの立て方などにもちょっとした工夫を取り入れているのがわかり、細かな部分も参考にしながら日々の作業に取組んでいました。

「職長」を目標にチームをレベルアップ!

 職長になったのは入社7年目、25歳の頃です。それまでとは仕事への意識もガラッと変わり、仲間や後輩などへも目を配れるようになりました。チームとしてレベルアップするためには、普段から気兼ねなく何でも話せる関係性を築いておくことも重要です。意見の食い違いで衝突したときでも、周りのサポートがあれば丸く収まります。そうしたチームづくりの大切さを、いろんな現場を経験することで学ぶことができました。

 職長になり家族を養っていける自信がもてた25歳のときに結婚を決意し、今では4児の父。末っ子の長女はわが家のアイドルです!

TURNING POINT!

父の代役を務め広がった
“現場での視野”

 実家の工務店の親会社である翁有建設に転籍して2年目に、ホテルの建設に携わることになりました。ところが現場の段取りを決めていた父が病気で入院してしまったんです。私が代役を務めることになり、そのときにふと思い出したのが、入社当時に父から言われた「仕事は上から順番に考える」という言葉でした。完成をイメージしてから逆算し、工程を組んでいくことの重要性を教えてくれていたのです。例えば、高所の作業を行うには、高所作業車を用意するのか、足場を組むのか、安全面を考えながら準備しなければなりません。それは職長や親方だからこそ持たなければいけない視点です。父が見ていたもの、考えていたことがようやく理解できた現場でした。

心掛けているのは“余裕のある”現場づくり

 この数年で職長としての役割について深く考えるようになりました。職長が声を荒らげてあわただしく指示を出すようだと、それが職人にも伝わります。あわてることが一番事故につながるので、余裕のある現場にできるように、雰囲気づくりにも気を配るように心掛けています。

今後の目標

 私はチーム全員が仲良く、気持ちよく仕事ができることを何より大事にしています。そのなかで、すべての作業の精度を高めていくことが今の目標です。少人数でいかにシンプルに、素早く、きれいに仕上げられるか。それを日々追求しています。

保有資格
●丸のこ等取扱作業従事者安全衛生教育
●高所作業車運転特別教育(10m 未満)
登録型枠基幹技能者講習
職長・安全衛生責任者教育
型枠支保工の組立て等作業主任者技能講習

この仕事を目指す方へメッセージ

 本当に人柄のよい職人が多いし、安全面もしっかりしていて、世間の人が思うほど過酷な仕事ではないと思います。何より仲間と一緒に手掛けた建物が完成したときの達成感は想像以上ですよ。

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